「ペットを愛する方のために誕生した新サービスのご紹介」結果報告

台風一過、お盆休みが明けた8月17日(土)、大阪市立総合生涯学習センターの第二研修室で、「ペットを愛する方のために誕生した新サービスのご紹介」を開催しました。41名のお申込みがあり、36名がご参加くださいました。

最初の講演は、「かたづけねこの手」の尾崎蜜柑さん。
整理収納アドバイザー、ハウスキーピングコーディネーターの資格をもつ尾崎さんのテーマは「断捨離のお手伝い ~片付け方とキャットウォークDIY」。断捨離とキャットウォークがどう結びつくのか、タイトルだけをきくとピンとこないのですが、尾崎さんご自身の暮らし方の変貌をお聞かせいただくと、猫好きの方ならすんなり理解できます。
「キティ」という愛猫と16年半共に歩まれ、別れがあり、ペットロスの中、「すだち」と出逢い、その後、尾崎さんはTNRを始めます。そして今では17匹の保護猫と暮らす尾崎さん、人も猫も快適に暮らすために、片付けのノウハウをしっかり身につけ、今では不用品を持たないミニマムな暮らしにたどり着かれました。また、猫たちの相性をみきわめて、それぞれがお気に入りの居場所が確保できるようにキャットウォークをDIYで作り上げておられます。ご自身のお部屋の写真をふんだんにとりいれたお話に、参加者のみなさんも大いに納得し、また反省されたもようです。
アンケートのフリーアンサーには、「具体例が多くわかりやすかったです。今日、さっそくかたづけます!!自分ルールで良いですね!くつ下いれやハンガーの数を決めたり、ゲーム感覚でやってみます」「先住8匹+保護1匹がいるので、断捨離と猫が気持ちよくストレスなく暮らせる家にしようと思いました」などなど、愛猫家にとっては「目からうろこ」の暮らしの知恵をいただきました。

次は、「ねこから目線。」の小池英梨子さん。

小池さんは猫の多頭飼育崩壊をテーマに講演をされていることが多いのですが、今回は「ノラ猫の捕獲、保護猫の譲渡」を有料で請け負っておられるお仕事の紹介です。子どものころからノラ猫を家に連れて帰っていたという小池さん、大学では猫を切り口に共生と共存社会の在り方を研究し、猫の保護活動や殺処分の予防的取り組みとしてTNR活動、地域猫活動、多頭飼育崩壊…など、15年以上も猫にかかわる活動をされてきています。小池さんの個人史をユーモアたっぷりにお話いただくと、その猫愛に心が温かくなり、その理知的な発想にみなさん、聴き入っておられました。アンケートにも「小池さんの合理的な(実利的な)継続可能なボランティアの在り方が、社会に光明を与えると思った。学識と実践に基づいたお話に勇気と希望をいただいた。」という声もいただきました。
「保護猫活動がすべてボランティア任せにならずきちんとした社会システムの中で機能する社会的企業となることでボランティアの負担軽減と保護活動のスピードアップと充実を図りたいと考えています」と小池さんご自身が「ねこから目線。」の活動を位置づけておられるように、保護猫活動の新たなステージが切り拓かれることを願ってやみません。

三番手は株式会社ケイ・コーポレーションの田中裕也さん。

今年11月から募集開始、来年8月オープンの予定の「ペットと暮らせる高齢者住宅 ピースマイルカーサ」をご紹介くださいました。「伊丹に単身の高齢者がペット連れで入れる賃貸マンションができるのは、うれしい」「トータルなサポートがあるのがいい」という感想をいただきました。

今回のセミナーに対するアンケートに「同じ内容のセミナーを数回してもらいたい。今日これなかった方にも聞いてほしい」というご要望がありました。主催者にとっては、これくほどうれしいことはありません。ペットを愛する方に寄り添い、犬や猫とともによりよく暮らせる社会を目指していきたいとあらためて思いました。

アンケート結果より

(1)本日のセミナーに参加された理由をお教えください(複数回答可)
アンケートには参加者の83.3%にあたる30名の方が協力してくださいました。
今回のセミナーに参加された理由は、「『ノラ猫捕獲、保護猫の譲渡』の小池英梨子さんの講演を聞きたかったので」の16名をトップに、『かたづけねこの手』の尾崎蜜柑さん、『ペットと暮らせる高齢者住宅』の田中裕也さんと続きます。講演者のテーマに惹かれて参加されています。

(2)本日のセミナー全体に対するご感想をお聞かせください。
30名中17名(53.7%)が「大変満足」、12名(40.0%)が「満足」と答えてくださいました。「いろんな立場の方からの話がきけて良かったです」というお声をいただきましたが、満足度の高いセミナーになりました。

(3)NPO法人ペットライフネットは、高齢者とペットがともに安心して暮らせる社会を築きたいと願っています。そのためにセミナーや勉強会を開催していますが、以下のテーマのなかで関心がある、参加してみたいと思われるものがありましたら、〇をつけてください。(複数回答可)

いちばん多い回答は、「高齢者が終生飼養を実現するための手法や人的ネットワークづくりについて」で18名でした。フリーアンサーで、「飼い主どうしの助け合いネットワーク」という具体的なご意見もいただきました。
14名があげられた「人の福祉と動物の福祉の連携について」については、「高齢者や生活保護、障害者の福祉と動物の福祉を考えていきたい」という回答もいただきました。

また、地域猫活動をされている方から「地域でのTNR活動を住民に知ってもらい、行政と連携して地域猫を増やしていくようにしたいが、自治会や行政との相互の理解や連携がとてもむづかしいので、そういった相談ができるところが欲しいです」という切実な声もいただきました。