くめどもつきぬ泉のように

いちじく大阪能勢の動物保護施設の大きなメス猫ケージのいちばん下の箱からよたよた出てきた2歳の猫に出会ったのはもう12年も前の春のことです。
わたしの手のひらに顔をうずめたのがたまらなくかわいらしく、多くの猫たちの中から、その子を連れて帰りました。
いちじくは、前の飼い主からの虐待を受け前足肋骨背骨に骨折あとがありました。
いちじくは、こころもからだも傷ついていました。
それでも、少しずつ、わたしに慣れ家に慣れ、少しジャンプができるようになり、何年もかかって抱っこされることも受け入れ、いまではすっかり遠い遠い過去のこと、思い出すこともなさそうな様子なのが幸いです。
いちじくと暮らすようになってから、わたしはいろんなことを教えてもらいました。
愛することとか、小さくやわらかく暖かな命が自分を信じてくれることとか
怪我や病気にも、強くいて、負けないこととか
毎日毎日、かわいい気持ちが更新されることとか。
思えば人生の大きな転機にもなったいちじくとの出会いでした。
(投稿者:ちゅんちゅん/「いちじく日記」)

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