「このコで最後にしよう」という言葉に胸打たれて…。

ノエルペットクリニック 院長 亀森 直

獣医師20141119_1  私が初めて獣医になりたいと思ったのは小学生の時でした。当時、何度か捨てられている子猫を拾ったことがあったのですが、社宅に住んでいる関係で飼うことを許されず、見つける度に両親に隠れてこっそり世話をしていました。ただ、そんなことで育てられるはずもなく、途中でいなくなってしまったり、弱って亡くなってしまったりとずいぶん悔しい想いをしたのを覚えています。そんな時、自分が将来ペットをたくさん飼うにはどうすればいいかと考えた末、思いついたのが獣医になることでした。

高齢者とペット

動物病院で働いていると60~70代の飼い主様からよくお聞きするのが、「このコで最後にしようと思っている」というお言葉でした。高齢の方がこう言われる場合、「自分がいつまで元気でペットの世話ができるかわからないから、もう飼わない方がいいだろう」という意味でおっしゃられていることが多いのですが、おそらく本音はずっとペットのいる生活を送りたいと思われているのではないでしょうか。以前はそれほど気にしなかったこの言葉ですが、最近になって強く意識するようになってきました。
そのきっかけとなったのがケアマネージャーさんからの往診のご依頼でした。認知症の方が飼われている犬でしたが、体を痒がって毛が抜けているのを飼い主様は認識しておられず、かなり皮膚炎がひどくなっている状態でした。それでもその飼い主様はわが子のように大事にしておられ、そのコとの生活を楽しんでおられました。この方は周りのサポートがあったため自分のことができなくなってからもペットと一緒に暮らすことができたわけですが、同じように最期までペットのいる暮らしを希望する方は他にもいるだろうと考えるようになりました。

獣医師として高齢者のためにできること

高齢者がペットを飼う場合、認知症の症状を抑える、お世話のために動くことで寝たきりになりにくい、生活に活気が出るなどメリットはたくさんあると思いますが、最近ではデメリットが問題視されています。中でも、お世話ができなくなって保健所で殺処分されてしまう犬は後を絶ちません。これについて、まず飼育困難になった方が飼い続けるための支援を考えました。
動物病院として高齢者に必要とされるサービスは往診だと思いますが、私の病院ではペットホテルとトリミングもしていたため、たとえば月に1回訪問してワンちゃんをお預かりし、シャンプーや病気の治療をしてお返ししたり、急な入院時にお迎えにあがり、しばらく預かってお世話をしたりなどが可能です。
もし突然飼い主様に不幸があってペットが取り残されてしまった場合、理想としては別の方に里親になってもらうということになりますが、そういう方がすぐに見つからない場合はそれまでの間、病院でお預かりすることは可能です。場合によっては里親探しのアドバイスもできるかもしれません。
高齢の方が安心して最期までペットを飼えるお手伝いは、身近な存在である動物病院だからこそ可能です。この地道なサポートが、殺処分されるペットを少しでも減らすことにつながるに違いないと信じています。

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▲ペットの送迎

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▲トリミング風景

ノエルペットクリニック (http://noelpet.com/)

住所:〒700-0975 岡山市北区今3-23-2
診療:小動物診療全般(往診、送迎もおこないます)
ペットサービス:トリミング、ペットホテル
連絡先:病院086-250-2252トリミング086-250-2262 FAX086-250-2269

院長 亀森 直さんのプロフィール
・ 岡山県立岡山城東高校卒業
・ 鳥取大学農学部獣医学科卒業
・ 岡山県の動物病院に勤務
・ 山口大学大学院卒業(獣医学博士)
・ 神奈川県の動物病院に勤務
(同時にエキゾチックアニマルの専門病院および鳥の病院で研修)
[所属]
・エキゾチックペット研究会
・鳥類臨床研究会

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