深刻なペットロスから脱して、ケアファミリーへ

kuniko1前回、「余命宣告を受けたおばあちゃんのペットたち」でミニチュアダックスのモモちゃんとチワワのヒメちゃんを紹介させていただきました。10歳のヒメちゃんは、素敵な里親さんに巡り合い、名前そのままにお姫様待遇の毎日を送っています。残ったモモちゃん8歳は、ケアファミリーの邦子ママに預けられましたが、今では正式に邦子ママの子として4歳のチワワの美桜ちゃんと一緒に暮らしています。
その邦子ママのお宅を訪ねると、繁殖場から救い出されたマルチーズのすうちゃんが9月28日に可愛い3つ子の赤ちゃんを出産したばかり。コロコロと寝返りをうつ赤ちゃんを中心にすうちゃん、美桜ちゃん、モモちゃんが取り囲んでいるお部屋は、ほのぼのとした幸福感で満たされています。

オードリーとの出会いと別れ

ケアファミリーとして可愛いワンちゃんに囲まれている邦子ママですが、2年半前には今の幸せは考えられないといいます。というのも、6年間寝食を共にしたダックスフントのオードリーを亡くし、悲嘆にくれる毎日を送っていたからです。
オードリーはブリーダーから保護されたワンちゃんで、声帯を切られていました。また、普段はおとなしいのに、悲しいぐらいガツガツと食べる癖がありました。発育を抑えられていたのでしょう、食事も満足に与えられていなかったようです。コワイものに出会うと、脱糞、脱尿をします。心を閉ざし、いつもどこか遠くを眺めているような子でした。表現力がなく、いくらこちらが話しかけても手ごたえのない感じでした。
それだけに不憫で、犬が大の苦手だったご主人も何かとオードリーには声をかけ、面倒をみました。ようやくオードリーがなついてくれたのは、飼いはじめて3年が経っていました。近藤さん③
その3年後の8月、オードリーがクッシング病であっけなく亡くなりました。それは邦子ママの目の前で「突然シャッターがガッシャンと降りたみたい」な気分に陥れ、1週間降り続いた雨天をいいことに家に引き籠ってしまう毎日が続きました。ようやく人に会うことができたのは、3カ月後といいます。あくる年の2月には、鬱状態から抜け出すことができず、入院。3日間点滴を受けて過ごしました。
どうしてもオードリーの死を受け止めることができず、アニマルコミュニケーションを受けることにしました。そこで初めて、邦子ママの気持ちに新しい兆しが生まれたのです。

幸せになるための別れ

邦子ママ、ふと何となくネットをみていたらLey-Lineのサイトに出会いました。そこで「一時預かり(ケアファミリー)様 随時募集」のコーナーを見つけたのです。
ケアファミリーは、保護された犬たちが信頼できる里親に託されるまでの間、自宅でお世話をするボランティア活動です。ブリーダー崩壊や飼い主さんから見捨てられるなど辛い経験をしてきた犬たちはほとんどが心を閉ざしています。そんな犬たちに話しかけ触れ合い散歩ができるようにし、人間への信頼を取り戻してもらうようにするのがケアファミリーの大きな役割です。
「亡くなったオードリーが導いてくれた」ような気がした邦子ママ、さっそくケアファミリーに申し込むと、10歳のダックスフントが紹介されました。オードリーと同じ犬種です。ちょっと嫌な気がしました。別れることになるのが辛いから辞めた方がいいとご主人もいいます。しかし、オードリーが「一緒にやろう」と励ましてくれているような気がして引き受けることにしました。
ダックスフントは一時流行した犬種です。しかし、分離不安の傾向があり、ヘルニアにもなりやすい、声が大型犬と同じくらいに大きいなど、次第に敬遠されはじめています。そのため、見放されてレスキューされる子が後を絶ちません。オードリーのことを思えば、邦子ママにとってはなおさら後に引けない気持ちにされたのです。
引き受けて1か月後、里親さんが決まったという連絡が入りました。またしても、別れです。たくさんの涙がでました。しかし、死に別れではなく幸せになるための別れだと思うと、かえって清々しい気持ちです。ご主人も「よかった、よかった!」と祝福してくれます。何よりも、会おうと思えば会えるのですから…。
2014年3月以来、次から次へと間髪を入れずに新しいワンちゃんたちが邦子ママのお世話になっています。それに伴い、新しい犬友達が増え、心強いネットワークがどんどんと拡がっています。
生と死、出会いと別れ、そして信じること、愛すること…犬たちから教えられることははかり知れません。kuniko2
文責:吉本 由美子

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