議員の方々とともに学び、考える            「動物行政の現状と課題」 結果報告

2017年4月23日、大阪市北区西天満のエートスステーションで「動物行政の現状と課題」について考える勉強会を開催しました。

当日の参加者は、議員8名(横山英幸府議、三田勝久府議、本田りえ市議、佐々木りえ市議、高見市議、辻淳子市議、田代ゆうこ堺市議、土井ゆみこ橋本市市議大阪)、社会福祉協議会1名、大阪府環境農林水産部動物畜産課動物愛護グループ1名、スタッフも加えると総勢71名。70人収容の会場がぎっしり埋め尽くされました。

議員の方々をお招きするのは今回が初めての試みで、正直、どのような展開になるのか予測もつかなかったのですが、1時半から5時までの長丁場、熱気あふれる緊迫した勉強会になりました。ひとまず、大成功といってもいいでしょう。この熱意を次につなげていくことが主催者に課された重責だと実感した次第です。

勉強会に参加してくださった方々の感想

勉強会の詳細や感想については、たくさんの方がfacebookやブログにアップしてくださっています。ご紹介しますので、ぜひ、ご一読ください。

1.ネコアパートメントの「イベント・アート展」
2.海野隆さんのfacebook
3.講演者の荒井りかさんの「パピのねこ日記」
4.受付を手伝ってくださったキャットソシオンさんの啓発活動中「いっしょに暮らそう」
5.近畿圏の動物愛護管理センターの殺処分状況を調査してくださった、たかひら正明さんブログ

「もっと、保護犬、保護猫」プロジェクトさんの報告

ここでは、「もっと、保護犬、保護猫」プロジェクトさんがまとめてくださった報告書を転載させていただきます。

4/23(日)、Neco Apartment主催「議員の方々とともに学び、考える勉強会 動物行政の現状と
課題」に参加しました。
5年に一度見直される「動物愛護管理法」の改正が来年に迫る中、動物行政に関わる議員の方々と
動物愛護・福祉に携わるボランティアとが同じテーブルに着き、動物行政の現状と課題を話し合う
貴重な勉強会です。しかも無料!出席しないわけにはいきません。

基調講演(1)
「現状の動物愛護管理法と地方自治」弁護士 細川敦史先生
細川先生、伊丹市の事務所に所属されているんですね。余談ですが、個人的に伊丹ラブな私は、
もうそれだけで細川先生を依怙贔屓してしまいます(笑)
動物愛護管理法の成立と流れをご存知の飼い主は、どれほどいるでしょう?引取り数や殺処分数の
推移については?
「殺処分ゼロを目指す」というムード自体は悪いことではありません。しかし、数値だけでは見え
てこないものもあります。動物取扱業に関する規制や終生飼養、不妊去勢手術の徹底なくして、
真の「殺処分ゼロ」は実現できません。
◆私たち(地方議員)にできることは?
①動物愛護条例の制定・改正
法律をなぞるだけでなく、法律に先駆けて地方独自の規制も
・自治体が野良猫の不妊去勢手術を実施する神戸市条例(H29.4施行)
・56日規制や動物福祉目的規定を取り入れた札幌市条例(H28.10施行)
・取扱業が届出制の時期に登録制を導入した東京都や愛知県条例
②都道府県作成の推進計画やアクションプランのチェック
③殺処分減少対策=飼い主のいない猫対策
④動物愛護推進協議会への関与
⑤動物関係者と日頃からの顔の見える関係 動物関連施設の視察、勉強会への参加など
⑥動物、ペット問題に対する継続的な取組み
◆私たち(一般市民)にできることは?
①動物愛護に関する社会への関心が高まれば、法改正に影響する
②普段から、身近な動物行政や議員と顔の見える関係をつくる。一発花火ではなく、地道に、
着実に、息の長い活動を続ける
③近くのペットショップだけでなく、保護施設(行政・民間)やきちんとしたブリーダーから
迎え入れる選択肢もあることを知ってもらう
◆私たち(ボランティア)にできることは?
①パブコメや署名活動への参加
②各自ができることをやる、続ける
動物の保護自体ができなくても一時預かり、ささやかな or 大きな経済的支援、専門家
(動物の取扱いはもちろん、それ以外でも会計、人事、法律、経営など)として組織に協力する
③自分のペットを大事にする

基調講演(2)
「ねこ問題からみた大阪の現実と課題」大阪ねこの会 代表 荒井りかさん
抜群の面白さで定評のある荒井りかさんのお話。
今日も楽しくお話を拝聴しながら、あら?不思議!「ねこ問題」について詳しくなってしまう。
「ねこ問題」は「社会問題」です。
多頭飼育崩壊、飼い主のいない猫(野良猫)、動物への虐待…「ねこ問題」の根幹は、その他の
「社会問題」と同一です。「ねこ問題」だけを切り離して解決しようとすればするほど、
一般市民からはかけ離れた問題になってしまうのではないでしょうか?
行政・地域福祉・教育を巻き込んでの解決を。
そして、善意を悪用されないために、ボランティアは情報の共有と、冷静な判断を。

基調講演(3)
「尼崎動物愛護基金設立のプロセス~議員提案の威力~」NPO法人C.O.N 理事長 三田一三さん

平成21年度に全国初のふるさと納税「動物愛護基金」の創設を要望されたNPO法人C.O.N。
平成24年度には議員提案により「動物愛護基金条例」の制定に至っています。
動物愛護基金を指定したふるさと納税は、初年度の24年度が644万9000円。
平成28年度は628万6900円!
ある議員の方の想いを引き継ぎ、「動物愛護基金条例」の実現にこぎつけた三田さんの情熱が、
多くの猫たちの命を救っています。

たかひら正明さんからは「近畿の各自治体 殺処分数についての報告」のご説明がありました。
数値からは見えてこない現状が記された素晴らしい資料です。

3時間以上にわたる濃厚な勉強会でした。
本日伺ったお話を、どう自分の活動に落とし込んでいくか。ボランティアそれぞれの答えがあると思います。
私たちはそれぞれに事情や立場があり、できること・できないことがあります。「殺処分ゼロ・収容数ゼロ」の達成には保護活動は重要なことではありますが、それ以外にも必要なことはたくさんあります。啓発活動はそのひとつだと考えています。あなたの隣の人に、「今も年間で約8万匹もの犬や猫が殺処分されているんだって」と話すことも、とても大切な活動です。
すぐに目に見える結果が出なくても、あなたの活動は決して無駄ではありません。あなたは、目には見えない「命のバトン」をつないでいるのです。

勉強会のアンケート結果

当日の勉強会では、アンケートをお願いしました。回答者は44名。うち無記名は、わずか8名でした。フリーアンサーの欄にはビッシリ感想が書き込まれていました。簡単にアンケート結果をご紹介しましょう。
(1)本日の勉強会に参加された理由は?
「動物問題に対する行政の取り組みを知りたかったので」がトップで、39名。二番目の「動物愛護管理法の改正に関心があるので」を大きく引き離しています。行政の取り組みを知る機会も少なく、また行政の情報発信力も弱いことを裏付けているのではないでしょうか。

(2)本日の勉強会に対する満足度は?
「非常に満足」「満足」を合わせると、88%といううれしい結果になりました。議員の方々やボランティア活動をされている方、そして一般市民が一堂に会する機会がほとんどなかったからでしょう。これを契機に、勉強会を定例化するようにしたいと思います。

(3)セミナーや勉強会で関心のあるテーマ
「ボランティア活動と地域、自治会、行政のネットワークについて」に関心のある方が33名。次いで、「人の福祉と動物の福祉の連携について」が26名でした。
みなさんの関心が、単体の活動からネットワーク化、多層化といった新たな拡がりを求めていることがよくわかる結果になりました。

(4)本日の勉強会の感想やご要望
◎今後も続けて!
・開催をしていただき、ありがとうございました。とてもためになる話ばかりなので、
ぜひキャパを広げてもっとたくさんの方が参加できれば良いなと思います。
ぜひ、今後も続けてください。
◎行政、地域、ボランティアの連携が大事
・これからも定例会を。行政、ボランティア、地域が一体となれる日がくればよいですね。
・「大阪ねこの会」代表荒井さんのお話にあったとおり、お互いにできることをボランティアや
地域住民とすり合わせていくことが大切だと思いました。
・行政が実施できること、できないことも社会全体で理解を深め、行政とボランティア(団体)や
民間企業との連携を進める必要がある。行政は団体の意見を重視しないことがある。
顔を合わせ、意見交換を行い、相互協力をすることで殺処分の減少に活かす必要がある。
◎猫問題
・私は家族で地域猫のTNR活動をしているのですが、近所の人には地域猫の本質を理解して
いただけないことが多々あります。
もちろん、全員の理解を得ることは難しいと思いますが、せめて存在だけでもたくさんの
人に知ってもらえるよう、何か取り組みはできないでしょうか。
(私たちは1年前に偶然、活動をしている方に声をかけてもらったことをきっかけにTNRの
存在を知り、協力するようになりました。もっと広めることができれば協力者も増えると
思います)
◎犬問題
・猫と犬では抱えている問題が違うので、犬の勉強会をお願いします。動物愛護管理法、狂犬病、
条例など知っている飼い主がどれだけいるのだろう?
ペット・福祉・教育、三位一体だと思います。
ひとまとめにして、ペットの問題だけ切り離して考えないような風潮にしていきたい。
ボランティアにこれ以上負担のかからない社会に!!
◎飼い主責任
・正しい飼い方の指導が「悪質な飼い主取締・処罰」等の方向に運動が向かっていくと、
ついていきにくくなります。「困った人は困っているヒト」という視点をもっていただいた方
が様々なところと連携がやりやすくなると思います。

その他、たくさんのご意見をご感想をいただきました。ありがとうございます!

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