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ペットと一緒に暮らせるグループホーム「さくら」を見学しました。

NHKの朝のニュースで、奈良にペットと一緒に暮らせるグループホームがあることを知り驚きました。高齢者施設でペット可のところは、滅多にないからです。

「アニマルセラピー」という言葉があるように、動物とふれあいうことは心身にやすらぎをあたえ、暮らしの質を高めることが広く認められています。ことに高齢者にとっては、動物介在療法としても有効だとされています。

しかし、日本の高齢者施設のほとんどはペットとの同居を認めていません。その理由は、「ペットアレルギーの人も入居しているのに、共有スペースをどう分けるのだ?」「免疫力が落ちているお年寄りにもしものことがあったらどうするのだ?」「遊んでいてはずみでペットが入居者にかみついたり、引っかいたりしたらどうするのだ?」「家具や備品を噛んだり、引っかいたりされると困るじゃないか」「犬の散歩はだれがするのだ?」「廊下でおもらしをしたり吐いたりしたら不潔だし、掃除の手間がかかって大変だろう?」「入居者が先に亡くなったら、連れてこられた犬や猫は誰が責任をもって最期まで面倒をみるのだ?」…などなど。急速に進む高齢化でヒト・モノ・カネ、すべてにわたって圧迫されている介護業界にあっては、ペットと暮らせる高齢者施設を運営することはあまりにもリスキーなのかもしれません。

では、テレビで放映された「認知症対応型共同生活介護 にぎやか大家族 グループホーム さくら」は、ペットとの共生をどのように実現しているのでしょう。

2020年3月5日(木)、キャット・シッターの大前三千代さんと一緒に見学にいきました。生駒市白庭台からクルマで5分、小粋な住宅がならぶ新興住宅の一角、小さな公園のそばにコンクリート打ちっぱなしの二層建ての建物がありました。「さくら」です。

玄関に入ると「さくら」を運営している株式会社ばぁんの代表取締役中谷勝行さん、施設長の竹田幸代さんが出迎えてくださいました。その後ろに尾っぽを振ったワンちゃんたち2~3匹が私たちに寄って来てくれます。人懐っこい子たちです。奥くのロビーからは、入居者さんたちの元気な歌声が聞こえてきます。おやつの前の合唱タイムなのでしょう。

さっそく事務室で竹田さんにペット可の施設になったいきさつをお聞きしました。すると、当初から意図的にペット可をもくろんだわけではなく、まったくの偶然から。5年前、竹田さんが飼っていたダックスフントの「ちょこちゃん」をたまたま「グループホーム さくら」につれてくると、入居者さんたちが今まで見せたことのない笑顔をみせて、「ちょこちゃん」を大歓迎してくれたのです。子どもの頃から犬と暮らしてきた竹田さん、これって認知症に効果的な「ドッグセラピー」ではないかと気づいたといいます。

そこから、竹田さんの猛勉強が始まります。「ペット看護師」「動物介護士」「ペットセラピスト」といった、ドッグセラピーにかかわる認定資格を次々に取得。施設で鳩を飼っている社長中谷さんの後押しや、介護職員さんの賛同もあり、ペット可のグループホームとして新たに踏み出されたのです。

セラピードッグの第一号は、竹田さんの「ちょこちゃん」。そして、警察犬をリタイアしたワンちゃん。奈良県の地域包括センターから寄せられた飼い主が亡くなるなどして残された保護犬などなど。もちろん、ワンちゃん連れで入居した方もおられて、今では犬10匹が施設内で遊んだり、くつろいだり。時には、近所の小学生たちが犬を眺めにくるととのことです。

竹田さんいわく、犬たちは「スーパー傾聴ボランティア」。犬たちは何もしないのだけれど、入居者さん自身をそのまま受け入れ、認めてくれる存在。認知症の症状によくある猜疑心が、犬や猫といっしょの折には影を潜め、元気だったころの平常心がよみがえるといいます。犬とのふれあいで、天真爛漫な笑顔が戻るのをみると、ペット可によってもたらされるマイナスなどは些細な事、それを幾倍も上回る喜びを感じるといいます。

ところで、毎日の朝夕の犬連れでの散歩は、この地域の「見守り隊」としても機能しています。今まで、迷い犬4匹、徘徊人2人を救った実績を持ちます。畑の中で倒れていたおばあさんを救った経験もあります。

また、「グループホーム さくら」は24時間、明かりがついています。地元の人たちにとって、「ココがあって安心する」といわれています。

地域のなかに溶け込み、なくてはならない施設として認められてきた「グループホーム さくら」は、2019年度奈良介護大賞が授与されました。

◎ 『介護は人なり』を標榜する「認知症対応型共同生活介護 にぎやか大家族 グループホーム さくら」 概要

住所:〒630-0137 奈良県生駒市西白庭台2丁目1-1

TEL:0743-72-0550  FAX:0743-72-0552

HP:http://xn--u8jf0gre477ukhd96w.com/

入居定員人数:18人

月額基本利用料金:142,160円

 

エイベットで野良ネコの不妊去勢手術を見学しました。

 一度見たら忘れられないクロネコのパンフレットをご存知ではないですか?
「大阪ねこの会」の定期集会はもちろん、各所で開催されるタウンミーティングには必ず置かれていますよね。これは、大阪府松原市に動物病院と獣医師がタッグを組んで設立した保護動物の支援活動団体、一般社団法人エイベット(avet)が制作したパンフレットです。

エイベットの活動は、
「ずっとのおうち」:保護された動物、事情で引き続き飼えなくなった動物と動物を飼いたいと願っている里親さんとのマッチングのお手伝い。
エイベットにシェルターはありません。里親探しをしている動物の写真を「ずっとのおうち」というサイトにアップします。保護ネコの愛くるしい写真撮りの手伝いもしてくださいます。なお、譲渡条件は保護主さんの意向によって異なります。

②「TNR活動」:おしっこやうるさい鳴き声で迷惑がられる野良ネコを減らすために、また与えられた命を“殺処分”されてしまう不幸なネコを救うために、野良ネコの不妊・去勢手術を支援価格で行い、地域猫として一代かぎりのいのちをまっとうしてもらう活動です。

ネコのボランティアさんたちは、地域の中で猫が住民たちに嫌がられず生きれるように、野良ネコを捕獲して(Trap)、不妊去勢手術を施し(Neuter)、ネコを元の縄張りに戻し(Returen)、一匹一匹の健康状態をチェックし、餌をやり、糞尿を清掃し、そのいのちを見守っています。
この地域猫活動のなかでボランティアさんにとっていちばん頭の痛い問題が、不妊去勢手術です。
ネコは、交尾刺激によって排卵する「交尾排卵」ため、精子と出会う確率は高く、交尾をすれば約90%が妊娠するといわれています。そのため、1匹のノラネコが1回に5匹の仔ネコを生むと、その半年後に仔ネコが成長し、5匹を生みます。そして、その仔が…と、計算していくと1年で実に65匹!3年後には5,465匹!!!という大変な数になってしまいます。人間の手でいくら殺処分をしても追いつかないのが、ネコの繁殖力です。
そのため、ボランティアさんは産まれても生きることができない不幸な野良ネコを減らすために、不妊去勢手術を行っています。しかし、不妊去勢手術にはおカネがかかります。一般には、雌の場合は2~4万円以上、雄の場合は1~2万円以上(All Aboutの記事より)といわれています。

野良ネコの手術費には行政から支援がでるケースが増えてきましたが、今でもほとんどのボランティアさんが自費で野良ネコの不妊去勢の手術をされています。その出費たるや凄まじいものがあります。不幸なネコを救いたいと思っても、この手術代金がネックになり、自分の気持ちを封印してしまう方も少なくありません。
エイベットは、野良ネコの不妊・去勢手術をボランティアさんへの支援価格で行っています。これが可能になったのは、不妊去勢手術方法を大幅に見直されたからです。

エイベットの理事長 橋本和也さんが、今年の元旦のエイベットのブログでこのように綴っておられます。

(前略)エリコ獣医も私も、一般的な全身麻酔方法でしか、手術を行ったことがなかったので、このころは野良ネコさんたちにとっては、非効率、時間がかかり、身体への負担も軽くない方法でしていました。
そこはエリコ獣医、すぐに改善策を講じます。
海外のTNR活動現場のDVDを私に見せてくれました。

「え~、そんな簡単な手技でいいの~?」
「え~、そんな麻酔方法でいいの~?」
「えっ? 術後のネコ、めっちゃすぐに元気になってるやん!」

そして、大阪府内で長年にわたってTNR活動をなさってらっしゃる、
先達の獣医師のもとで、実習を重ねます。

それから、手術の全行程を、エリコ獣医と私で確認を重ね、できたのが
今エイベットが行っている方法です。

(中略)

★できる限り、安価で、それでいて安全で、覚醒がすぐで、短時間で済む、
といった条件を満たすべく。。。

(後略)

この手術方法は、獣医さんひとりで鎮静、麻酔、毛ぞり、手術、縫合、術野洗浄、抗生剤、鎮静剤、止血剤、ウイルステック後のワクチンの接種…これらすべてを獣医さんひとりで行います。
しかも、橋本理事長のブログを見て驚きました。
「ちなみに、エイベットでは、手術の現場を見学していただけます」

そこで、1月13日(土)にエイベットにお邪魔しました。
ブログですべてガラス張りでオープンと読んでいたのですが、実にその通り。すぐにエリコ獣医が手術をされている現場に通されました。
生後4カ月くらいの雌猫の不妊手術の真っ最中。手を休めることなく私たちの問いに答えてくださいました。この日の手術は9頭の予定。最近は月150頭くらいの手術をしている。不妊手術は15~20分かかるが、去勢術は1分もあれば十分とのこと。雌猫が終わると同じ白黒の弟らしき仔が手術台に乗せられ、ほんとうにあっという間に終わりました。必要な材料が手の届く範囲に設置され、手術を待つ仔には鎮静剤が施され、手際よく進んでいきます。

的確で素早い手術に驚きの声をあげると、エリコ獣医は「私は、まだまだ。もっとスピードを上げていかなくては、追いつかない。今も、熟練された獣医師の手術を見る機会があれば出かけて行って勉強している」とおっしゃていました。外で暮らす野良ネコのことを考えれば、できるだけ傷口を小さくし、早く手術を終えるようにして、できるだけカラダへの負担を少なくすることが必要です。しかも安価でとなると、アシスタントに頼らず獣医ひとりでの手術になります。こうした厳しい条件を満たさなくてはならない野良ネコの不妊去勢手術です。TNRに賛同して手術をしようとする獣医師がまだまだ少ないのが現状だと痛感しました。

私たちが帰る間際、エリコ先生に再度あいさつに伺うと、「あぁ~、まだ早いと思っていたのに…」と深いため息が聞こえました。不妊手術の野良ネコのおなかの中に赤ちゃんがいたのです。「これがいちばんツライわ」とエリコ獣医。ネコの発情期が始まると、こうした不幸な手術が後を絶ちません。

野良ネコ問題は、ネコの繁殖力や生態について正しい知識が広まるようになったきました。その結果、ボランティア活動を孤立させず、ともに地域の環境問題としてTNRに取り組む市民や団体がでてきています。このムーブメントを下支えし、前進させるのが、TNRを推進する獣医という頼もしい存在です。保護動物を支援するエイベットのに敬意を払うとともにこれからの活動にますます期待してます!

(吉本 由美子)

獣医師が保護主の「ブルーキャットカフェ」オープン!

岡山市の問屋町は、個性的なお店がならぶ商業スポットとしてタウン誌やマスコミに採りあげられる話題の街。また、近隣の住宅街には転勤族が多く、岡山市でも数少ない人口増の界隈です。
ここに、67坪という大型の猫カフェが誕生しました。2017年6月13日(火)にオープンした「ブルーキャットカフェ」です。見るものをにらみつけるような独特の面構えで、しかもブルー。都会的な雰囲気が漂います。
一歩店内に入ると、天井高で広々としたカフェスペースが目を引きます。米粉100%マフィンが並ぶスィーツケースにカフェカウンター。気取らずシンプルなインテリアは、北欧風なカフェそのものです。

一方、カフェに隣接する猫スペースは、緩やかなカーブを描いて仕切られていて、カフェスペースのどこからでも猫の姿がみれる工夫がされています。壁一面に設けられた木の棚や木株をイメージしたキャットタワーが随所に置かれ、仔猫たちがあちらこちらに出没していました。

この「ブルーキャットカフェ」は、よくある保護猫カフェとは一線を画します。猫たちの保護主さんが、何と獣医師! ノエルペットクリニックの院長 亀森直さんです。
亀森院長の狙いは、「ブルーキャットカフェ」を猫と人とが関わる交差点として役立てたいと考えておられます。ひとつは猫が飼えなくなった人のために。病気などで猫が飼えなくなった飼い主さんから愛猫を引き取り、終生お世話をする場として。また、猫が飼えない人のために。住まいの事情で猫が飼えない愛猫家のための猫との出会いの場として。そして、これから猫を飼いたい人のために。新しい家族として猫を迎えたいという方のための里親探しの場として。この猫に関わる3タイプの人のための“場”としてこの空間を活かせるのは、毎日、飼い主さんと猫の関係を診ている獣医師だからこそ実現できます。
今、ブルーキャットカフェの猫たちは、亀森院長ご自身が保護主となって動物愛護管理センターから猫を引き出し、猫の健康状態をチェック。人馴れするまで病院で世話をしてからデビューさせています。里親に譲渡する際には、マイクロチップを入れて渡される予定です。
亀森院長の新しい挑戦、たくさんの猫にも人にも幸せをもたらしてくれるよう、心から願ってやみません。