初めまして司法書士の木村貴裕です。
司法書士という言葉もかなり世間では認知度が上がってきましたが、まだまだどのような仕事をしているのかご存じない方も多いのが実情です。
ごく簡単に挙げると、私たち司法書士のおもな仕事は、「登記・供託」「裁判事務」「成年後見業務」などです。
つい最近も身近な方から、「登記手続」の専門家というものが存在していることを知らなかったと言われ、まだまだ広報が足りないのかと思いました。
上に仕事として挙げたものの内、成年後見業務などは特に何かの資格を有していなければならないという決まりはないですけど、登記に関しては資格の無い者が職業としては行ってはいけないとなっているくらいなのですが。(もっとこまかく言うと有償無償を問わず、申請する本人以外の者が資格を有していなければ反復継続して登記手続に関与することは、代理はもちろん書類作成だけでも違法です。)
とはいえ、士業といわれる仕事はたくさんあり、よく似た名前もありますし、どの資格を有する者がどのような仕事の専門家なのかというのはわかりにくいと思います。
私自身は、司法書士はどのような仕事をする資格なのですかというご質問には、先に挙げたようなことをお伝えした上で(一応もう少し詳しくお伝えしますが)、でも特に詳しく覚える必要はありませんとも答えたりしています。
何か「こんなことを頼みたい。」「困った、どうしよう。」ということがあれば、信頼できる士業に質問や相談をすれば、自身の専門で無ければその方が適切な他の専門家を紹介してくれるだろうと考えているからです。ちょっと性善説過ぎるかもしれませんが。
士業といわれる者はたいてい他士業とネットワークを作っています。餅は餅屋という言葉があるように、専門性を問われる仕事をしている者は、その仕事の難しさをよく理解しているからこそ、専門外の仕事を軽視しません。
相談した士業から他の専門家を紹介されたりすると、ご相談される方にとってはたらい回しにされているような印象を受けるかもしれませんが、専門でない者がするより、直接その専門家が関わる方がその方にとってより良い結果につながるからです。
相談者の不安を早く解消したいがために「ご安心下さい、何でも引き受けましょう。」と答えたい衝動にかられることもありますし、そもそも「それについては知りません。」「わかりません。」と答えるのは相談を受ける側としては結構勇気がいるのですが、「それは私の専門ではありません。」とお話しし、そして適切な専門家はこの方ですというようにお伝えするのが誠実であると考えています。
某番組の宣伝文句ではありませんが、まさに複雑に入り組んだ現代社会。問題解決にはより専門的な知識が問われることになってきています。残念ながら一人の専門家では解決できないことも多く、専門家同士が連携してあたらなければならないこともしばしばです。
法律などもどんどん変わっていきますので、知識のアップデートも欠かせません。
私も微力ながら、ご相談なさる方の不安が少しでも安心に変わるようお手伝いできればと日々業務にあたっております。
(木村 貴裕)