2016年6月11日(土)難波市民学習センター第4研修室で「ペットのための遺言とわんにゃお信託®」のセミナーを開催しました。
開会の午後2時を待たずに、申し込みをされておられた方18名が全員揃いました。今回のセミナーへの関心の強さが伺えます。
最初は、行政書士の山本光子さんの「飼っている猫の行く末を考える」。もともとは犬派だった山本さんが家の近所に捨てられていた不細工でガリガリの猫「ズラ」に出会ってから、猫の魅力にはまっていった経緯を熱弁。そして、空前の猫ブームと言われながらも、その陰でペットショップで売れ残った子たちを引き取る業者の存在など、ペットを取り巻く闇の世界にも目をそむけず直視することが、ペットをもつ飼い主の責務だと語られました。
第二部は、弁護士の檜山洋子さんと司法書士の木村貴裕さんとの掛け合いによる「ペットのための遺言」。ペットはモノであり、ペットに財産は遺せない。「負担付遺贈」「負担付死因贈与」「信託」のいずれかの方法で遺すことはできるが、遺言を書くことが不可欠。それも、「公正証書遺言」で無効にならないようにするのがお勧め。遺産額にもよるが、公正証書遺言作成の手数料はそんなに高くない。そして最後に、「ペットのための遺言とは、実は飼い主のための遺言。遺言を通じて、飼い主自身がこれからどのように生きていきたいかをみつめなおすきっかけにしてほしい」と結ばれました。
休憩をはさんだ後は、昨年5月3日にNHK「サキどり!」の「どうする?! ペットの高齢化問題!」を放映。ここで紹介された「わんにゃお信託®」の概要をご覧いただいた後、サーバントラスト信託株式会社の森島達也さんから信託の仕組みを具体的に解説していただきました。次に、代表の吉本由美子から「わんにゃお信託®」で預ける金額を割り出す「エンジェルノート」を紹介しました。
セミナー終了後のアンケートには、「入院時に知り合った70代の男性がガン告知をされた際に、家にいる3匹の猫たちの行く末をとても案じておられたことを思い出しました。わんにゃお信託®のことをしっているかいないかで、あの時の動揺は少しは落ち着いたと思います。こういうシステムの普及がまず一番ではないでようか」と記載くださった方もいます。
また、ヘルパーをされている方からは、「ヘルパーはその方が入院されたり、お亡くなりになられたら関係が終わります。あの犬は? あの猫は? どうなったのか気になっても手出しも口出しもできません。何か良い方法はないものか…と悩んでいたところに今回のお話が伺え、ひとつの道筋を示していただきました」というご感想をいただきました。「終生飼養費用がペットライフネットのHPで試算できたり、信託費用が試算できたりすると便利かと思います」という貴重なご意見もいただきました。
参加者のみなさま一人ひとりが、「ペットのために何ができるか」を真剣に考えておられる様子がひしひしと伝わってくるセミナーでした。「同様なテーマで、また講演会をしてほしく思います。ペットの飼い主にとっては避けて通れない難題です」というコメントもいただきました。引き続き、頑張ります。