元保護犬たちのハッピ~な「同窓会」

2014.04.27ley-line2▲元保護犬と新しい家族たちの記念撮影

 ゴールデンウィークが始まったばかりの4月27日(日)、保護犬の救出と里親探しに取り組むLEY-LINE「ボランティア・ネットワークス」を参照ください)の主催で、新しい里親に出会うことできた卒業生の犬とその家族が集う「同窓会」が開催されました。寒暖の差が激しい日が続いていましたが、この日ばかりはちょっと早い“五月晴れ”。会場になった榛原もすっかり新緑に包まれていました。
お昼を過ぎたころからクルマが続々と到着。気がつけば総勢25人に30数犬という大所帯に。やってきた犬たちはさっそく仲間たちと嗅ぎあって挨拶をしたり、追っかけっこをしたり、尾っぽを大きく振って全身で喜びを表現していました。これだけの犬たちが揃えば、ケンカもあれば吠える犬もあるのでは…と危惧していましたが、全くそんなことはなく、みんな和気あいあい。「同窓会」という言葉にふさわしい和やかさです。

参加されているご家族の方にそれぞれの犬のことをお聞きすると、ペットショップやブリーダーのもとで繁殖犬として飼われ、生殖年齢が過ぎると遺棄された犬たちがほとんど。物腰があまりにも穏やかなので尋ねると、「この子たちは、息をひそめて生きてきたので、もの静かで賢いですよ」と。
昨年の秋にシェルティ犬の里親になったというご家族は、犬を飼うのが初めてで、ペットショップを探し回ったり、ネットで情報を集めたりしたときに保護犬という存在に出会いました。そして、費用もかさばらず、可哀そうな犬を助けられるのなら里親になろうと決意されたのです。ただ飼いはじめの頃のシェルティは無表情で心を閉ざしている感じで、なじめるかどうか不安でした。ところがある日、保育園の年長に通う娘さんが帰ってきて、シェルティの首を抱きかかえて泣き出したのです。話を聞くと、お友達の犬が突然亡くなり、そのショックでお友達が沈み込んでいて可哀そうだった。うちのシェルティも、そんなことになったらイヤだというのです。親子三人、シェルティを撫でながら「大丈夫だよ、そんなことは絶対しないよ」と約束しあいました。この日を契機に、シェルティの態度や表情が明らかに変わりました。喜んだり、甘えてきたり、時にはすねたり…、ようやくいつも一緒にいなくてはならない家族の一員になったといいます。
同じく繁殖犬ですが、幾度もの妊娠で子宮がただれ余命が危ぶまれた犬を保健所から引き取った家族もおられました。残された日はわずかで、看取り覚悟のレスキューです。おもちゃで遊んだ経験もないまま、死なせてしまうのはあまりにも忍びないというのが救出された理由です。犬たちのいのちを踏みにじる今の消費社会のありようは、あまりにも残酷です。

この日の「同窓会」は、犬たちが大好きなおやつをたっぷり食べ、裏山までの散歩をし、里親も元保護犬も旧交を温めて1日が終わりました。すぐに次の開催が待たれるという声が、続々あがっています。元保護犬たちの第二の人生(犬生)に幸あれ!!

吉本 由美子