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「元気な老犬」も月に4万円余りの養育費
でも「ラブがいるから生きていける」

井上ラブ①散歩中、すれ違う人たちからよく年を聞かれる。15歳だというと、「すご〜い。元気だね、いい子だね」と、おっしゃってくださる。「そうなんです。このごろの年寄りは元気で……」と笑って返しておくが、さすがに寄る年並に勝てず白髪が増えた。テンション高く1時間以上歩きたがる日もあれば、5分ほどで帰りたがる日もある。彼女の意思に任せている。

うちのわんこ(名をラブという。ビーグル♀)はかなりの自由犬だ。というか、育て方を間違えた。「やんちゃで飼い切れないので、もらってくれない?」と、ご近所さんから生後3か月のときにうちの「家犬」になった。サークルに入れると「出してくれ」と吠え続けたので、4LDKすべてウロウロ自由。時においしいモノを見つけ、テーブルの上に上っても「上手にジャンプできたね」。何でもアリで、夜は私と同衾。我がままも「かわいいかわいい」と許してきた。

うちに来た時は、小学生2人の子どもと親2人の4人家族だった。4年後に夫と別居したので3人家族となり、やがて大学生になった息子が出ていき、社会人になった娘も出ていき……、そして3年前に私は大阪から東京へラブと2人(?)で引っ越した。なので、老犬となったラブはここ3年余り、50代後半となった私と2人暮らしである。

と状況説明をしたが、書きたいのは「わんこには結構お金がかかる」こと。わんこに服を着せる趣味はないし、リードや首輪もホームセンターの安物。風邪をひいたくらいで動物病院に連れて行かない。しかし、数年前に尿道結石の手術をしてから、ゴハンは一定のドッグフードに制限され、これがひと月に1万6000円。あと、慢性中耳炎のため、週1耳掃除に動物病院に行く(我がままに育てたツケで私には耳を触らせないので)。1回2835円×4で、月に1万1340円。さらに尿道結石の後遺症か、月に1度はオシッコに血が混じるので、これの治療とお薬代が5000円ほど。生活では、出張等で留守をするとき、近所の女子大生に1回1000円で朝夕の散歩を頼んでいるので、今月は8000円。「元気な老犬」ですら、月に4万円余りの“養育費”がかかっている。

飼い始めたころ、15年後をこれっぽちも想定しかった。こんなにお金がかかると分かっていたら飼わなかった? 否。今や「ラブがいるから生きていける」と思うほど、今の私に彼女の存在は大きい。

実は先般、私は救急車で病院に運び込まれるという失態をやった。そのとき頭によぎったのは「私がいなくなったら、ラブはどうなるの?」の思いだった(大事に至らず杞憂に終わったが)。そんなこんなで、ペットライフネットのような組織があればいいのにと思っていた。目下東京在住なので、具体的なお手伝いをできないことがもどかしいが、出来る限りの応援をしたいと思っている。

井上 理津子

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術後の筋力は1週間で1割減!ペットにもリハビリが必要

12月8日(日)、学際企画(株)が実施する「犬と猫のリハビリテーションの実際 ~基礎から学び臨床現場に生かす~」(http://www.gakusai.co.jp/doubutu/juui.htm)に参加してきました。この研修は、獣医師や看護師など動物医療に携わる方々を対象にしたもので、専門的すぎるのではないかと正直、戸惑いと不安がありました。しかし、せっかく獣医の石井万寿美先生からのお薦めを受けた講座です。それに、「やる前から諦める」のは嫌いです。意を決して参加することにしました。

セミナー テキスト会場は尼崎のエコーペットビジネス総合学院で、朝の10時から16時まで。講師は日本大学獣医外科学研究室 専任講師で本動物リハビリテーション学会の理事をされている枝村一弥先生です。60名近くもが参加して、盛況です。ペットの長寿化が進み、リハビリテーションへの関心が高まっているからでしょう。 講義内容は、日本より数倍も進んでいる欧米でのリハビリテーションの状況や骨関節炎(OA)、骨折、関節手術後、椎間板疾患といった疾患に有効なリハビリテーションについての概論から始まり、各論でいろんな療法を具体的に学びました。そのなかには、「ハイドロセラピー(水治療法)」や「物理療法」といった、ただただ「へぇ~!そーなんだぁ~」と聞くしかない専門的なものもありました。 そんななかで、”病気になりにくい体作りのサポート”をテーマにしている僕にとって、納得でき共感したところも多くありました。 例えば、ペットの筋力は、安静にして運動をしていなければ1週間で10~15%も低下。3~5週間で、実に50%も筋力が落ちてしまうという事実です。これをマッサージ療法・徒手療法・物理療法・運動療法(他動的)・運動療法(補助)・運動療法(自発的)といったリハビリで回復させるわけです。このなかで、僕ができることは、運動療法(補助)です。ことにバランスボールには着目し、楽しみにしていましたが、バランスボードやバランスボールの種類の紹介にしか時間がさけず、僕が思っていた講習とは違うものだったので残念でした。実際のトレーニング方法等の実技があれば良かったのですが…。

 

今まで僕は、「病気になりにくくするためにどうしていくのか」をテーマにしたセミナーを受講してきましたが、獣医師や看護師向けの今回のセミナーは、「病気になってしまったペットや術後のリハビリをどうしていくのか?」といったリハビリテーションの重要性の講義でした。ペットショップを営んでいると、お客様からワンちゃんの術後話を聞くことも増えてきました。リハビリは、長期にわたり飼い主さんが家ですることがポイントなので、無理なく続けていくことが重要です。今回のセミナーで得た知識をお客様にお話しすることで少しでもワンちゃんも飼い主様も楽しく楽にリハビリに取り組んでいけるようサポートするのが僕の役割だとあらためて思いました。 欧米では、動物の理学療法士の資格があるそうです。日本にはまだこのような資格がないので、今後動物の理学療法士の資格ができることを願っています。 前田 隆史

犬の所有権放棄の理由は飼い主の死病が26.3%でトップ

ワンコ

石井万寿美先生が第34回動物臨床医学会年次大会に参加され、「犬の飼育放棄問題に関する調査から考察した飼育放棄の背景と対策」という報告を受けてこられました。

この報告書では、今年9月に動物愛護管理法が改正され、飼い主の終生飼育が原則化されましたが、果たしてその実態はどうかを動物愛護団体からのアンケートで追及しています。 調査結果から、犬の所有放棄理由の最も多かったものは、飼い主の死病・病気・入院で26.3%。3年前に比べ増加傾向にあるとのこと。また、積極的な所有放棄者を年代別にみると、60代以上が56.3%を占めています。 同報告書では、飼い主の高齢化による飼育困難に対するサポート体制、飼えなくなる前にもしもの時に行先を決めておくなどのセーフティネットの構築が必要であると結んでいます。 高齢者にとってペットはかけがえのないパートナーのはずです。そのペットを放棄せざるをえないときの気持ちを考えると胸が痛みます。

 吉本 由美子

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