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能勢町の動物愛護NPO法人訪問記

ペットライフネットを始めるに当たって、他の動物愛護のNPOも見学しておこうと、先日、スタッフ4人で大阪府能勢町を訪ねました。

ARKの入口看板

▲ARKの入り口

阪急川西能勢口から車で小1時間、のどかな田園地帯を通りすぎ、民家もまばらになった山間に、飼い主のいない犬猫を保護する施設が2か所、それも同じ集落内にあるから驚きです。最初に特別非営利活動法人アニマルレフュージ関西(ARK)を訪ねました。

「自然が好き、動物が好き」

エリザベス・オリバーさんという英国人女性が1990年に始めたこの施設には現在、犬170匹、猫150匹が、14人の有給スタッフ(約30人が交替で勤務)とボランティア数人(登録は1500人)に世話されています。飼い主が亡くなったり捨てられたりのほか、震災や離婚、破産、アレルギーの家族がいる、など事情はさまざまです。

ARKの名札

▲ARKの名札

1匹ずつ名前が付けられ、健康チェックや不妊手術、病気があれば治療し、里親さんを募集します。病気があったりして家に引き取るのが困難な子、あるいは家で飼えない事情があるけれど犬や猫が大好きという人のため、特定の子の「スポンサー」となって飼育費を負担する「スポンサー制度」もあるそうです。

ARKの犬舎

▲ARKの犬舎

年間約1億5千万円の運営費はほとんど寄付でまかなわれており、維持するために大変な努力が必要なことがうかがわれます。施設内を案内して下さったスタッフの蒲生浩さん(52)は、「自然が好き、動物が好き」で昨年、東京の会社を早期退職してここに来られたとか。「給料は比較になりません。でも好きな仕事なのでボランティアのつもりです」と笑っておられました。

ARKの猫舎

▲ARKの猫舎

犬は1匹が吠え出すと連鎖反応のように一斉に吠えるので、その音量のすさまじいこと!人里離れた山の中にしか施設を作れないわけです。敷地の入り口に車が10台以上も停まっているので、何かイベントでも行われているのかと思ったら、全部スタッフの車でした。能勢電の終点からバスは1時間に1本以下、降りてからさらに徒歩で20~30分というのでは無理もありません。月1万円で住める寮もあるそうです。

日本最大級の動物シェルター

2か所目は日本アニマルトラスト。ここは厳しい要件をクリアして国税庁の認定を受けた認定NPO法人で、たくさんの犬猫を保護するシェルターは日本最大級とか。広い敷地、掃除の行き届いた明るく清潔そうな施設には、若い女性スタッフの姿が目立ちました。世界的ピアニストのフジコ・ヘミングさんがコンサート収益を寄付して作ったというドッグランもあります。
見学を終えてアニマルトラストを出ると辺りはもはや夕暮れで、秋たけなわの能勢路を楽しむこともなく帰ってきました。

吉井 佳容子

18歳のハクが教えてくれたこと

ハク地球阪神淡路大震災から半年後、芦屋の仮設住宅で誕生したのがハク、18歳です。当時、我が家には姉猫が 2匹いて、来た時からコソコソとお尻を引くようにして隠れる気の弱い子でした。この気性、いつまでたってかわりません。もちろん、抱っこはさせてくれませ んし、爪切りなんてもっての外。何となくハミゴな感じで18年がたってしまいました。 ところが今年に入って、ハクの夜泣きが止みません。寝ぼけ眼でカリカリをやると、ひとまず静かになるものの、また唸るような恨むようなスゴミのある声で鳴 きます。「ボケたのかな」といぶかりつつも、病院には連れて行かないで過ごしていました。

マンションの一室からでたことのない19歳の猫を病院へ連れて 行ったのが仇で、過呼吸で亡くしてしまった辛い経験があるからです。 そんなある日、夜に家に帰って電灯をつけると廊下の真ん中に光るものが…。ひょっとして、水たまり?? 以来、おしっこの水たまりはいろんなところに出没 し、おしっこ拭きが日課になってしまいました。そんなハクをじっくり見ると、目にはヤニがたまり痒そうです。あれだけ食べるのに背中の骨が浮き出ていま す。この体調だと猛暑の夏を乗り切ることはできないかもしれないと覚悟しました。同時に、食事さえ与えておればよい的な接し方ではなかったかと、自分の薄 情さに愕然としました。

その日から、いくら嫌がっても目の周りをガーゼで水洗いし、か細いカラダにブラッシングをかけるようにしました。するとどうでしょう。2週間もたたないうちに、水たまりは消え、夜泣きもなくなりました。大変な回復力です。 人間でいえば100歳に近いハクです。そんなに長く一緒に暮らせないかもしれませんが、心を通わせる時間を大切にしたいと思っています。 ※残念ながら11月6日の早朝にハクはなくなりました。ハク、この18年間、ありがとう。

吉本 由美子

4ニャンズたちと出会って、そして…

DSC_32834ニャンズと暮らして13年。ミュージ(♂)とはもう15年の付き合いです。「ネコって孤独を愛する」「ネコってクール」なんていわれますが、それはちょっと違うかな。わたし、ヒトにはあまり人気ないけど、ネコたちにはモテモテ、まさにハーレムな日々です。 4ニャンズはみんな元ノラ。ミュージは中之島公園に捨てられていたのを娘が連れて帰りましたが、高熱を出していて、ガリガリの身体はノミまみれ、耳もゴミとダニで塞がっているという悲惨な状態でした。でも、端正な面立ちでごはんを貪り懸命に生きようとする姿に、何としても助けたいと必死で看病。ミューミューと消え入りそうな声で鳴いていたのでミュージと名付けました。

他の3ニャンズは当時、宝塚市にあった事務所の屋根裏部屋で生まれた♂・♂・♀のきょうだい。乳離れもしていない彼らをミルクから育て、3時間おきの授乳では子育て時代を思い起こしました。彼らも食欲旺盛、哺乳瓶のゴム製乳首を何度噛み切ったことか。友人の山崎さんにシッターとして来てもらって、わたしは仕事に出かけていました。そして、「年取ったら二人でネコシッター派遣業やりたいね」と話していたのにその夢は永遠に果たせなくなりました。

ジェンダー問題に関心あるわたしですが、「女らしさ」「男らしさ」って生まれもったものなのですね。しずか(しいちゃん)は、なよなよとしたしぐさで、小首を傾けて見つめる肢体は何とも色っぽい。男どもがケンカしても、しいちゃんはけっしてその中には入りません。それに比べて男たちの動作は無骨で、すぐに手(足)が出るやんちゃ者たちです。

 

東日本大震災それにつづく福島原発事故では多くの動物・ペットたちが置き去りにされました。また、数を書くのも辛いほど多くの犬や猫たちが人の都合によって殺処分されています。そして、経済優先社会では弱者や動物たちはいつも犠牲になります。人間はどうしてここまで傲慢で強欲になってしまったのでしょうか。人も動物たちも共生できる優しい社会でありたいとつくづく思います。 「あんたたちはほんとに好運だね、うちに来られてよかったね。でも、そろそろ働いてもいいんじゃない?」なんて耳元で恩着せがましく語りかけてもニャンとも怠惰な彼らの日々。彼らからもらった何よりの贈りものはやっぱり無償の愛なのでしょうね。 高橋もと子